患者さんと治療家とのやり取りの中で、特に頻繁に見られるのが治療家から患者さんへアドバイスをすることです。
あなた自身も、例えばどこか怪我をして病院にかかった時、医者から「それは○○した方が良い」「○○しなきゃダメだよ」「今すぐ○○してみてください」「○○することはやめて」などというアドバイスをされた経験があるかもしれません。
整体院でも、治療に置いて日常生活での注意点などをアドバイスするシーンは珍しくないですよね。
しかし、実はこの患者さんへのアドバイス、少し間違うだけで患者さんとの信頼関係を築く不安材料になりかねないことを知らない治療家が多くいます。

アドバイスより前にすること

「先生、テニスをしていたら腰が痛くなりました」と患者さんに言われた時、あなたならまずなんと答えますか?
「それは無理にテニスをしたせいですね、今後はテニスなどの運動はしないようにしてください」と答えるのはNGです。
最初から否定的なことを言われることを患者さんは嫌います。
ただでさえ痛みで気持ちが落ち込んでいるのに、テニスをもうするなと言われたことで余計に落ち込みます。


このような場合、まず最初に言うべきなのはアドバイスではなく“ねぎらい”です。
「それは大変でしたね」「急な痛みで辛かったですね」というようなねぎらいの言葉をかけるだけで、患者さんは先生のことを信頼する準備が整います。
まず患者さんの痛みや不安に寄り添う姿勢を示すためにも、いきなりアドバイスを言うのは危険です。

アドバイスをするタイミング
自分のことを良い治療家だと思い込んでいるタイプの人ほど、とにかく患者さんにアドバイスをしたがります。
本当に優れた治療家は、自分からあれやこれやとアドバイスの言葉ばかりを並べません。
アドバイスをしてもそれができないから悩んでいる患者さんが多いからです。
アドバイスをする正しいタイミングとは、患者さんの方から聞かれた時、というのが正解です。
つまり聞かれるまでは、あまりアドバイスはしない方が良いとも言えます。
「先生、どうしたらいいでしょうか」と患者さんの方からアドバイスを求めてきた時、的確に答えてあげられる治療家になりましょう。
アドバイスばかりをしてくる治療家は、患者さんとの信頼関係をうまく築けていない場合が多いです。

新患や女性の患者さんに特に注意する
既に信頼関係がしっかりと築けている患者さんであればそこまで大きな問題はありませんが、特に新規の患者さんや女性の患者さんは、あれこれとアドバイスをされることを嫌う人が多いようです。
このような患者さんに聞かれてもいないことをあれこれ話しても、アドバイスではなくただ注意されていると受け取られてしまうことがよくあります。
こちらも良かれと思ってアドバイスしているわけなのですが、患者さんにとってはなんとなく怒られているような感覚になりやすいのです。


まだ信頼関係が十分できあがっていない新患や、敏感な女性の患者さんには、アドバイスは特に慎重に行う必要があります。
治療家として色々と言いたくなるのは分かりますが、アドバイスのしすぎは信頼関係の悪化を招く場合も多くあることを覚えておきましょう