整体院には、痛みが辛くて気分まで落ち込んでいる人や、長い間身体の調子が悪くて悩んでいる人が大勢来院します。
ウキウキ気分で整体院に来る人はなかなかいないでしょう。
そんな患者さんの悩みや不安な気持ちを、限られた時間の中で取り除いてあげる、暗い気分を少しでも明るくしてあげることは、治療家の大切な役割の一つです。
患者さんの気分を変えてあげることのできる治療家が、多くの人から支持される治療家になれるのです。


コミュニケーションを円滑に進める「親近効果」とは
患者さんとの会話の中で、あなたが話し方や伝え方を変えるだけで、患者さんの悩みや不安を取り除く効果を高めることができる方法があります。
“終わり良ければすべて良し”という言葉を聞いたことがあると思いますが、これは会話のコミュニケーションにおいても成り立つことが多いです。
人間は、複数の情報を順番に提示された時に、後に提示された情報を印象強く評価してしまう心理現象があります。
「親近効果」と呼ばれることもあるこの現象は、同じ情報でもネガティブなことを最後に言うと相手は話全体にネガティブな印象を持ち、ポジティブなことで会話を終わらせると相手はポジティブな印象を強く抱くという傾向があるというものです。
これを患者さんとの会話のコミュニケーションに役立てると、患者さんにとって気持ちを分かってくれる、理解してくれる先生になることができます。


親近効果の身近な例
例えばパートナーとレストランに行った時、食事の後に相手が「美味しかったけど値段が高かったね」と言うのと、「高かったけど美味しかったね」と言うのでは、印象がかなり変わってくると思います。
同じことを言っていても、伝える順番が違うだけで相手に与える印象は大きく変わってくるのです。
ほかにも、ネット通販を利用する際、口コミやレビューを見て買うか買わないかを判断する人は非常に多いと思います。
しかし、ほとんどの人は何十、何百、何千とあるレビュー全てに目を通さず、最新のもの、最初のページにあるものを選んで読むだけで購入を決めてしまうでしょう。
古いページや目に付きにくいところに良くない口コミが書いてあっても、最新の口コミが良ければその商品を買うという決断に簡単に至ってしまう人が多いのです。
仕事でプレゼンをする際は、デメリットを間に挟んで話の最初と最後は必ずメリットや良い点を伝えることで、成功率がアップします。


親近効果を患者さんとのコミュニケーションに生かす方法
この親近効果を、整体院での患者さんとのコミュニケーションにもぜひ生かしてください。
「治療を続けていけば治りますが、まだ少し時間がかかりそうですね」「少し時間はかかりますが、治療を続けていれば治ります」当然後者の方が患者さんを元気づけるセリフになっていることが分かるでしょう。
とにかく一つ一つの会話の最後をポジティブな言葉で締めるように意識してください。
この会話術が身に付けば、自然と患者さんから信頼され、気持ちを良く分かってくれる良い先生だと思ってもらうことができるようになります。
さらに、治療後に患者さんがお会計を済ませて帰る際の対応を丁寧にすることで院の印象を良くする効果がありますが、これも実は一種の親近効果によるものです。
反対に最後に手を抜いたり適当な対応をしてしまうことで、院の印象は一気に悪くなります。
患者さんとの会話や対応は、とにかく終わりを完璧にする、良い印象で締めくくる意識を常に持ちましょう。
これを根気よく続けていると、患者さんもなぜかあそこの整体院に行くと元気が出る、調子が良くなる、また行こうとリピートにつながっていくはずです。